ジークンドー(截拳道)5つの戦術
ニューヨークのマンハッタンにあるPFSジークンドージムで2年ほど
フェイズ1〜2【初段/二段】の指導員をしていた「ノブルト」です。
今日はジークンドーの5つの戦術について皆様に解説していきたいと思います。
ジークンドー截拳道の戦術とは?
ジークンドーには大まかに分けて
5つの戦い方/戦法があります
ジークンドーを勉強する人に止まらず格闘を
勉強する上で理解しておくとかなり有利だったり、
相手に攻撃を当てやすくなったりします
以前のブログでジークンドーとは
総合格闘術、哲学、物理学、心理学です!
と言いました!
ジークンドーの戦術ではこれら全てを使う事で
比較的安全に相手に攻撃をする事が出来るようになります!
ジークンドーの戦術5種
ジークンドーの戦術は主に5つの戦術で分類されます。
sDA【single Direct Attack】
➡︎シングル・ダイレクト・アタック
ABC【Attack By Combination】
➡︎アタック・バイ・コンビネーション
HIA【Hand Immobilization Attack】
➡︎ハンド・イモビライゼーション・アタック
PIA【Progressive Indirect Attack】
➡︎プログレッシブ・インダイレクト・アタック
ABD【Attack By Drawing】
➡︎アタック・バイ・ドローイング
これら5つがジークンドーで使われる戦術の種類です。
それぞれチャプター毎に詳しく解説していきたいと思います
SDA【シングル・ダイレクト・アタック】
まず一つ目の戦術SDAこと、「Sシングル・Dダイレクト・Aアタック」は文字通りの攻撃方法です
ここでは英語でSingle(シングル)は「単発の」という意味になり
Direct(ダイレクト)は「直接」と訳されます。
そして、Attack(アタック)は「攻撃」という意味ですので
「単発の直接的な攻撃」と言う意味になります
簡単に要約すると「一手の攻撃」です!
そしてこの攻撃の目的は最短距離での攻撃です
この一手の攻撃は一見シンプルそうに聞こえますが、
一番決めるのが難しい技/戦術でもあります。
スピード
タイミング
距離感覚
相手のガードが薄い部分などを突く観察力
⬆︎
これら全ての能力/技術と、ある程度の経験を必要とします!
SDAの主な使い方
相手の攻撃より速いスピードで相手に攻撃を入れる、又は相手が少しでも油断した隙を狙う
相手のパリーイングなどのディフェンスが追い付かない様に撃たなければならない(その場合は自分から最も近いターゲットを狙う)
リードの手で攻撃する際なるべく顔を同じ位置に残さない様にして相手のカウンターを警戒せよ
リードの手を常に動かし続けることで相手を翻弄するのはもちろん、動きの中で出す攻撃の方が静止した状態より早く出せる
※注意:3&4は多様のし過ぎも、良く無い「シンプルが大事」
シングルダイレクトアタックは、
思いもよらない角度からの一発の攻撃も当てはまります
SAA(Single angular attack)
【シングル・アンギュラー・アタック】
とも呼ばれる手法です
身体のポジショニングなどを使って相手の開いてるところに打ち込む
これを使う場合は距離感がとても重要になるのでサイドステップ、
レーサルステップなどを時と場合によって使い分けなければいけない
ABC【アタック・バイ・コンビネーション】
ABCは言葉のまんまの意味ですね!
Aアタック=攻撃
Bバイ=で/使って
Cコンビネーション=組み合わせ
「コンビネーションで攻撃」
ですがABCも別にランダムに攻撃を出せばいいって訳でもありません
ランダムに出してもいいなら誰でもコンビネーションを作れます。
ですが、ABCの要点・注意点などが存在します!
ABCの要点・注意点
動き(攻撃)はナチュラルに繋がって色んなアングルに攻撃を放つ事。
それぞれの攻撃は次の攻撃のために、相手のディフェンスを崩したり、
隙を作り出したりと繋がっていなければならない。コンビネーションは必ず相手が下がっていると言う条件下で使わないと、
相手に距離を詰められて、コンボが潰されてしまう。
⬆︎
というこれ等の事が重要になります!
一言でコンビネーション攻撃と言っても、一回一回の攻撃が自然に繋がっていないと無駄な時間だったり、隙だったりを作り出します!
ですので、上の三つの要点をしっかりと守ってABCを使えればとても有効的なコンビネーションになります!
HIA【ハンド・イモビライゼーション・アタック】
HIA(ハンド・イモビライゼーション・アタック)とは簡単に言えば
「トラッピング」です!
「HIAの意味は?」というと
hハンド=手
Iイモビライゼーション=動けなくする
Aアタック=攻撃
ですので、ここでの直訳は「手を動けない様にする攻撃」です
トラッピングは相手の手などをトラップするので、相手は攻撃が出来ずにこちらは安全に相手に攻撃をすることが出来ると言う利点があります!
HIAの使い方の要点・理解しておくべき事
手、腕、脚、頭などをトラップする
相手の手などが自分と相手の間で障害物/バリアになっている場合に使い易い
ABCでの問題点「相手に距離を詰められて、コンボが潰されてしまう」と言う問題も
相手の手などを流したり、トラップする事で解決する事が出来るステップなどを使う事で攻撃に体重が乗ってもっと重い攻撃が出せる
トラッピングは別に戦える(基本のキックボクシングが出来る)のであればそこまで必要ではありません
ですが、知っていると相手と手が詰まった時などに役立ちますし
格闘技とかじゃない護身術の状況下ではかなり有効に働きます!
トラッピングは学ぶ事がいっぱいあってかなり複雑ですし
実際にかなり練習と実践で経験を積まないと、成功率はとても低いです!
ですので個人的には初心者の方などにはお勧めしません
初心者にオススメしない理由:
ドリル練習などで成功体験を積み重ねて、実際に使えると盲信してします
※特に初心者は!
ですので、まず戦える(キックボクシング基礎)ようにした上で、
学ぶとかなりの利点が得られると個人的な経験で感じました
PIA【プログレッシブ・インダイレクト・アタック】
PIAは何か複雑な英語が並んで難しそうなイメージです
Pプログレッシブ=段々と/段階的な
Iインダイレクト=間接的な
Aアタック=攻撃
「段階的な間接攻撃」と言う直訳になります
ですが直訳ですと意味がわかりません。
ニュアンスを僕なりに翻訳すると
「間接的な攻撃で相手のガードを誘導して開いた所に攻撃」
簡単に言えば
「フェイントなどを使って当てたい部分から、ガードを誘導するテクニック」
です
PIAの使い方・要点・理解しておくべき事
PIAは主に相手の動きが速く、あなたのHIAやSDAでは捕えれない時に使う
この戦術一つで色んなバリエーションの攻撃方法が展開できる
フェイントを使って相手との距離を半分詰める
(フェイントは相手が反応出来るように、敢えて攻撃が当たらない位置に打ち込む)
相手はそのラインを防ごうとガードするので、必ず他のラインが開く
そこに本当の攻撃を撃ち込むSDAなどを使ってフェイントを掛けたいラインに攻撃をして
相手の注意をそちらに向けて置くと、このPIAの成功率が上がるPIAは確かに相手のスピードが速くて他のHIAなどSDAが使えない時にかなり有効です
なぜなら相手が速いという事は、相手の反応スピードが優れていると言う事になります
ですので、高い反応力の方がこちらの攻撃に敏感に反応してくれますのでPIAが決まりやすいのですこれは逆に初心者・素人などのまだパンチに慣れていない人は逆に引っかかりにくいです
理由は単純で、シンプルにフェイクを出してもそのフェイクを見切れない場合があります
そして最初のフェイクに反応してくれないとPIAがそもそも決まりません。
ABD【アタック・バイ・ドローウィング】
ABDは簡単に言うと釣りです
Aアタック=攻撃
Bバイ=で/〜を使用して
Dドローイング=引き出す
ですので直訳すると「誘発する攻撃」です
ドローイングって絵を描く事じゃないの?
って思う方もいると思いますが、
ここでは「引き出す」と言う意味になります!
そして、引き出すとはどう言う事なのかと言うと?
例えば:
敢えてディフェンスを下げる事で相手の攻撃を誘発する
とか、こんな感じで相手にしてほしい攻撃を
誘発して自分はその攻撃が来たらカウンターを合わせると言うテクニックです
ですので初めに言った「釣り」と言う意味が理解できるかと思います
ABDの使い方・要点・理解しておくべき事
敢えてガードなどを無くす事で、相手にその部分を攻撃するよう誘発する
相手が攻撃に入ってくる瞬間のタイミングを狙う
相手の攻撃が当たる位置というのは、自分の攻撃も当たる距離感です
狙うべきタイミングはステップする瞬間、体重を片足に掛けた時、
など相手が力んだりする瞬間もタイミングになり得る自分が何を狙っているのかを悟られないようにすると成功率が上がる
この戦術はガードを下げたり緩めたりしてカウンター罠を張るテクニックですが、
初心者・素人の方にはお勧めできません。理由はガードを下げるからです
もちろん上級者の方などは相手との距離感覚だったりとか
相手のスピードに反応出来るから
敢えて防御を下げても攻撃を見切って反撃できます。
ですが、まだ攻撃に目が慣れていない素人が
同じことをしても下手したらそのまま攻撃を
入れられてしまう可能性が高いです。
ですので僕個人的には素人の方にはお勧めしません。