ジークンドー(截拳道)使えない問題について

ニューヨークのマンハッタンにある
PFSジークンドージムで2年ほど
フェイズ1〜2【初段/二段】の
指導員をしていました

今はアメリカでJKD/MMA /

護身術を指導してる
「ノブルト」です


今日は

「ジークンドーが使えない問題」
について個人的な考えを解説して行きます

まず初めに、ジークンドー【截拳道】が使えないとはどう言う事?って思う方がいると思います!

先日僕のウェブサイトのGoogle検索エンジンの検索ワードについて調べていたら、結構上位の方に「ジークンドー使えない」と言う検索結果が表示されました。まぁ正直な所僕自身も格闘技を長年やっていたので、僕が指導しているPFS JKDと出会うまでは全然興味もなかったですし。正直使えないと思っていました!

今日はそんな僕がジークンドーが一般的な格闘家など若い世代の人からみて使えないと思われる理由について解説していきたいと思います!

一応ジークンドーを全く知らない人はこちらのブログをチェックしみてください
⬇︎

ノブルト自身が使えないと思っていた

僕自身が使えないと思っていたのは二つかの理由があります。

  • 世代ではない/ブルース・リーのファンではない

  • フルコンタクト格闘技を深くやっていた(ボクシング/テコンドー/ムエタイ)

まずは僕自身1994年生まれでブルースリーの世代では無いのでVHSでブルースリーの映画を見せられた時も、
現代のアクション映画に目が慣れていて全くと言ってもいいほど興味を惹かれなかったです。
そしてあの怪鳥音も個人的にあまり意味がわかりませんでした。

そして僕がやって来た格闘技は殆どがしっかりと殴り合ったり、蹴り合ったりするスパーリングがある格闘技でしたので。
映画のアクションに少し疑問があったのも確かでした!

こんな感じので物心ついた頃はもうブルース・リーの世代ではなかった。そしてたまにテレビでブルース・リーの「アタぁー!」と言うシーンを見かけるたび何で叫ぶんだろう?って疑問に思ってた。

現にブルース・リー自身も当時映画の反響が凄かったらしいですが、
一定数「あいつは映画俳優だから実際は弱い」っと思ってブルース・リーに挑んで負けた武術家はかなり居たと聞いています。

ノブルトが驚いたPFS JKDの凄さ

僕はジークンドーに出会う前、フルコンタクトの格闘技を深く練習していたので自分の格闘スキルには自信がありました!
そんな時に僕のニューヨークでのダンス仲間が「お前格闘技やってるんやろ?グローブあるからスパーしようぜ!」
と軽いノリでスパーリングをすることになりました!

僕は当時そこそこスパーリングには自信がありました

ジークンドーはブルース・リー曰く
Way Of Intercepting Fist」➡︎「(攻撃を)遮る拳の道」ですよね?
それは言い換えれば「カウンターの道」とも言い換えれます。

そして案の定、その友達とのスパーリングでは。僕の一回一回の攻撃は何かしらのカウンターで返されました。
完全にタイミングを合わされています。タイミングを合わせてカウンターを決めるのはそこそこ練習が必要です。
そしてカウンターを喰らった側からすれば、一瞬何が起こったか分かりません。

そこから僕は「この技術を習おう!」と決めました。

ですが、僕は恥ずかしながら最初の一年半はMMAだとずっと思い込んでいました!

ジークンドーが使えないと思われる理由/要因

注意:これは色んな話を聞いたり、個人的な経験から個人的にまとめた内容になります

僕の流派のジークンドーはそもそも哲学ですので、誰でも気軽に練習が出来ます。
もちろんそれは、素人のただの武術好きのおじさんから、本格的な格闘家、格闘技選手まで幅広く多くの人に影響を与えています!

ジークンドーの考え方は「元々は何か他の格闘技の格闘家が練習をしてプラスになるように作られています」
もちろん素人が練習をしても時間はかかりますが、要点をしっかりと理解して練習すればかなり強くなれると思います。

僕の所属しているPFS JKDの流派は、本当に始めたての素人の人以外は女性でもみんなゴリゴリに
打、投、極とスパーリングをしていたのでみんなかなり強かった印象です。
僕の流派のトップのポール・ブナック先生はイノサント先生の生徒の中でも超実戦派で有名な方で。
その実戦技術を買われ米軍特殊部隊Navy Sealsで教官を任されて、トレーニングカリキュラムを作った張本人です。

そして本題のジークンドー使えない説について考えていきましょう!
もちろんジークンドーにも色んな流派、色んな人が教えています!そしてその指導方法は様々です!

僕が個人的にジークンドー界隈で見て思った問題は主に3つあります。

  1. 本などのDVD情報から指導する人がいる

  2. ドリルだけやって強くなった気でいる人がいる

  3. 格闘技に対しての理解レベルが低い人が同じような人を育ててしまう

    もちろん他にも理由は色々ありますが、主にこの3つが要因だと考えられます。

まずは一つ目の
本などのDVD情報から指導する人がいる
について解説していきましょう

アメリカでも、日本でも、世界中でジークンドーを勉強する人はたくさんいます。そして色んな国々で本当に強くてJKDを格闘技などに取り入れている先生はたくさんいます。ですがその反面他の武術をやっていて自分の技術にジークンドーを取り入れようとして、直系のジークンドー流派から習った事も無い人が本など、動画、セミナーなどから得た情報をジークンドーと謳って指導している人がいます。

実際に僕の指導している方で、昔ジークンドーを他の先生から習ったと言う方がいました!
どの系統のなんと言う先生かと尋ねたところ、ただの空手の先生でアメリカに修行に行った事があるわけでも無いそうです!

他にも、

詠春拳しか知らないのにブルース・リー開祖が習っていた、
と言う理由で勝手にジークンドーと名乗る所も見かけた事があります。

本、セミナー、DVDなどでは実際のジムで普段行われている強くなる為のトレーニング方法はまず紹介しません!
どちらかと言うと「フラッシー(Flashy)=見栄え重視」の技術を紹介する事が大半です!
理由は言うまでもなく、その方が人が集まるからです。

そしてジークンドーを実際にアメリカで習った事がない人が、それを勝手にジークンドーと思い込んで指導するパターンが多く見られます!

実際に「強くなる/戦えるようにする為」の練習と言うのは地味で、
毎回毎回のクラスでちょこちょことやって地道に身につくものです。

そうしてまずは「戦える(格闘家と対峙しても大丈夫)」ようにした上で、
そういう「フラッシー(Flashy)=見栄え重視」の技術を練習することでそう言う技術なども使えるようになっていきます。

僕の大師匠のポール・ブナック先生も「初心者は、まずはキックボクシングがしっかり出来るようになってから他の練習をしないと変な幻想を抱く」と言っています。そう考えた時に僕は初めにボクシングなどのフルコンタクトの格闘技を経験しておいて良かったと思いました!

2つ目の
ドリルだけやって強くなった気でいる人がいる
について解説していきましょう

僕がボクシングをやっていた時は、昭和臭が強いジムで、現代のようなドリル練習と言うより

基礎練(縄跳び、シャドーなど)➡︎サンドバッグ打ち(ヘビーバッグ)➡︎素人に容赦の無い実践(スパーリング)でしたけど😅

まぁそれはそれで殴られる恐怖心を、初めの段階で払拭できたので感謝はしてるんですけど、お勧めは出来ません!(脳へのダメージなど)
最近はどの格闘技、武術でも初めはドリルを使って安全に練習を開始する事がとても重要になりつつあります。
(特にアメリカは怪我させると訴えられるので)

ドリル練習は確かに最初はとても大事です!ですので僕は否定をしてる訳ではありません。
ですが、ドリルだけを練習するジムは少し実際に使えるかどうかを疑った方が良いと思います。
僕が実際に見て来た中で、ドリルだけを練習するジムの最大の欠点は「実践に対応出来ない事」です

理由は簡単です、ドリルと言うのは安全面に考慮して作られた練習方法です。
言わばスパーリングなどの実践的な練習の前の準備段階だったり、目慣らしだったりです。
特に東南アジア武術などはアメリカではよく問題視されています。
ですので中には実際にスパーリングなどの練習を取り入れっているジムもあります。

もしあなたが純粋に

  • 「アートとして勉強したい」

  • 「別に強くならなくても良い」

  • 「仲間内で楽しくワイワイ出来ればいい」

    と言う考え方なのであれば。ドリルだけの練習でも楽しく出来ればそれで良いと思います。
    その方が安全ですし怪我のリスクもとても低いです!

ですがそう言う人達の中にごく一部「自分は強くなったと」勘違いして、変な幻想を抱く人が一定数います。
ドリルでは実際に殴られた時の重みを感じる事が出来ません、なぜならドリルは安全面に考慮して作られていますので。
そして、その本当に殴られた時の重みとリスクを知らないまま自信を付けてしまうケースを何回も見て来ました
そう言う人達の格闘家に挑戦してボコボコにされる動画はオンラインで結構悪目立ちしますし、
そう言う動画の方が話題になりやすいのも確かです。
そう言う人達が原因でジークンドーもよく使えないとトバッチリを受ける事があります😅 

僕は個人的に子供の頃からすごく臆病な性格でした、ですので実際に自分または自分の家族/友達をしっかりと、どんな状況でも守れる強さが欲しいと思って格闘技、ジークンドー、護身術、MMA、柔術などを練習して来ました!

僕は既にPFS JKDのフェイズ2(柔術でいう所の黒帯二段)ですが、
僕自身もまだまだ学ぶ事がいっぱいあると思ってこれからも深く学んでいきたいと考えてます
僕は自分が実践(忖度無しでのスパーリング)などをしっかりと積むことで、
あらゆる格闘の形に対する理解を深めた上で皆さんに指導をしています。

3つ目の
格闘技に対しての理解浅い人が、同じような人を育ててしまう
について解説していきましょう

そもそも「ジークンドーは何か他の格闘技の格闘家が練習をしてプラスになるように作られています」と先程も言いました。
ですので、ジークンドーを指導する人はある程度、総合的に色んな格闘技の知識を備えていないといけません
そしてもちろんですが、指導する本人がしっかりと強く無いと意味がありません!

僕は個人的に自分が得意な部分と苦手な部分を理解して、苦手を強化するように日々トレーニングを行っています。
もちろんPFS JKDは総合格闘術ですので色んな分野を勉強して、ドリル練習をこなして、そして実践スパーリングを行う事で
それぞれの分野で、ある程度知識など強さを得る事が出来ます。

PFS JKDは「路上のMMA」と言う異名がある理由としては、まずPFSの練習段階を軽く説明したいと思います。

まず先程もご説明した通り
初心者は、まずはキックボクシングがしっかり出来るようになってから他の練習をしないと変な幻想を抱く
と言う言葉が大事になります。

ブルース・リーの言葉で:

「黄色い落ち葉が、子供を泣き止ませる金貨となりうるように、いわゆる秘伝の動きや不自然な構えでも、知識の浅いマーシャル・アーティスト(武術家)の観心を買う事は出来る」

と言う言葉があります!
先程説明した「フラッシー(Flashy)=見栄え重視」な技術がその代表例です!
しっかりと格闘技を何かしら深く練習している方ならその動きを見た時に直ぐに、
「これ使えるのか?」と疑いの目を向けると思います!そうした疑いの目はとても大事です!

そう言う動きは実際に使える人は確かにいます、ですが使えるようにするまでには
何回もスパーリングなどの、どんな攻撃が来るか分からないランダム性の高い練習の中で試した結果使えるようにしたのであって。
決してその動きを何回も何回も動作として練習したからと言う訳ではありません。⬅︎これはダンスです。

実際の戦いの中で、上手い事使うには、やはりまずは基本的なキックボクシングが出来るが重要になります!

キックボクシングが出来るとは:

  • ガードなどの基本のディフェンス技術を理解する

  • 攻撃のタイミング

  • リズム感覚

  • 相手との距離感、自分の間合いを理解する

これらを理解してやっとキックボクシングの基礎が出来たと言う事に繋がります。

その状態が出来て初めてジークンドーとしてのスタートラインだと思っています。
理由は先程説明した通り「ジークンドーは何か他の格闘技の格闘家が練習をしてプラスになるように作られています

それなのに他の格闘技をやった事がない、
又は知らない人がそれら他の格闘技を見下すような感じで指導している人がいるのを見かけます。
そう言う所/人の特徴としては:

  • 他と交流しようとしない傾向にある

  • 基礎知識をしっかりと説明してないのにスパーリングさせようとする

  • 先輩が後輩を技で圧倒するが、体験に来た格闘家に全く歯が立たない

これらが代表的な例だと思います。

僕自身はこれらの事と真逆の事を心がけて常に行うようにしています!
今僕は自分の苦手なグラップリング/ブラジリアン柔術の修行を頑張っていますが、一応総合格闘技の学校です。
そこの打撃のクラスで他の生徒を圧倒する事が出来たので、入会して2ヶ月で打撃クラスを任されました!

僕の考えるジークンドーの先生/指導者は、
総合格闘技/格闘技の学校でクラスに参加したら、そこの先生や他の生徒に喜ばれる存在である
と言うのが理想的です。

それはもちろんですが「格闘技に対しての理解浅い人」が安易出来る事ではありませんので、
そう言う人は外部との交流をなるべく避けようとします。

まとめ

長々と説明しましたが、ジークンドーを使えないと思う人はまだまだいっぱいいると思います!
まず試合が無い時点で、格闘技とは言えませんし、強い弱いの力量を測る場所がありません。

ですが、以前のブログでも話しましたが、結局は個々の練習/鍛錬量と質が一個人の強さの鍵になります

日々しっかりと自分を理解して自分の弱い部分と向き合って鍛錬されてる人は、
自分の技術に自信がありますので、そこまで外部との交流を避けませんし。
何ならスパーリングで負けたりしても、「なぜ負けたのか?どんな技術を使ったのか?」と、もっと研究熱心になると思います。

僕自身は毎回外部との交流スパーリングで「この人のこの技術凄い!」って思ったら、
どうやって使ったのか?どのタイミングで使うのか?などしつこいように聞くようにしています!それこそが勉強であると思います!
そこで悔しいと思って落ち込む人がいますが、何も聞かないと言うのは勿体無いです!
せっかく自分が見た事がない/知らない技術に出会ったんですから聞かないのは損です。

こうやって自分の知らない事を勉強をする事で、色んな状況対処が身に付くので格闘技や武術に対する理解を深める事が重要になります。

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ストレートリードの迷信【ジークンドーをやってるのに知らないが人多過ぎる件】

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